おはようございます。理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。
前回の続きです。
『廃用と栄養』 というキャッチフレーズに関して書きました。
従来型の理学療法と比較して、特別なテクニックは必要なく、高い効果が期待できる『栄養と廃用に関する問題を必ず克服する』という方針は、合理的だろうという内容を書きました。
なぜこの二つをセットにして語るかは、
- 「フレイル」とか「カヘキシア」とか「サルコペニア」などの概念との兼ね合い(主に医療者向けの話)
- 片方が回りだすと、もう片方も回りだしたりするため、例: 『運動ができるようになってきたら、食事も入るようになった(その逆もある)』 。
以下の内容は、多分に経験則です。ただ、多くの医療関係者の方は感じたことのある内容だと思います。
ほぼ全ての利用者さん、患者さんにとって、理学療法士などの専門職が提供する特別なテクニックよりも、栄養と廃用に関する問題をしっかり潰すほうが動作の改善効果がある。
例えば、肺炎などで数週間入院して体力が落ちてしまっている方などは、もちろん当てはまります。他にも、
- 脳卒中などでリハビリをしているけど、栄養管理と筋力強化に関して強調された治療を受けていない人
- 膝や股関節の痛みがあって、活動量と筋力が落ちる→食欲もわかなくてあんまり食べれていないという悪循環に陥ってる人
などなど、対象は幅広いです。
こういったタイプの患者さん、利用者さんに関しては、重箱の隅をつつくような『正常動作との違い』を探すより、なるべく長い時間立っていてもらうとか、長い距離を歩いてもらうとかいう方針で介入を行うことが重要なのではないかと思います。
この様に特別なテクニックも必要なく効果も非常に大きなものが期待できる治療方針ですが、注意点が一つあります。一つ一つの介入内容の難易度は高くないと思いますが、『キチン』とやらないといけません。
一つの職種で全部が出来得るものではなく、色々な方々と協働しなければ達成できません。
たとえば、『栄養』に関する問題を潰すためには・・・・
- 味覚は大丈夫ですか?(医師)
- 食事動作は問題なく行えますか?(理学・作業療法士)
- 食事は誰が提供しますか?(家族・介護士)
- 食事の形態はどうしますか?(栄養士)
- 飲み込みは問題ないですか?(言語聴覚士)
- 消化器の機能は大丈夫ですか?(医師)
- そもそも病気のコントロールがある程度ついてないと、体がしんどすぎて食欲がでないです(医師)
- どんな食べ物が好きですか?(利用者)
- 食べること対するにモチベーションありますか?(本人)
*カッコの中に書いたのは、主に専門性を発揮することが期待される人達です。
といった様々な問題があります。専門家でない私でもこの程度はパッと挙がります。
これに加え、在宅の現場では、看護師さんやケアマネージャーさんが中心になって他の専門職を繋いでくれたり、利用者さんの状態のモニタリングをしてくれるイメージでしょうか。。。。
長くなりましたので次回に続きます。
今日も、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
理学療法士 倉形裕史
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