ロンドン留学記:テスト終わり&脳や感覚は信頼に足りるんでしょうか?

おはようございます。理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。


今日、リーディングとライティングのテストを受けてきました。リーディングは、多分基準は満たしたと思います。ライティングはどうだろう??ミニマムの語数が450語で、恐らくは足りてると思うんですが、、、どうでしょう??


あとは、明後日のプレゼンでコース終了です。8分間パワーポイントを使って発表して、8分間質疑応答を受けます。

最初は、8分も英語で話せるかしら??とか思ってましたが、今は逆にどうやったら8分で納められるか?でバタバタしてます。いざやってみるとそういうモノかもしれませんね。。。

テストの話は終わり。



で、脳や感覚の話です。

今日、テストの前に変なことの気付きました。私は、iPhoneの7か8を使ってます(詳しくなさ過ぎて、自分が使ってる機種がいまいちわかってない(+_+))。


テストを受けるにあたって、電源を切ってカバンの中に入れる必要があります。そこで、電源を切ったら、ホームボタンが押せない(沈まない)ことに気が付きました。

iPhone7、8はホームボタンが沈まず、振動が生じることで、「押した」感覚をユーザーに与える仕組みになっているそうです。そして、振動の設定によって、どの位ホームボタンが「沈んだ」様に感じるかの設定ができるそうです。


そういえば機種変したときにそんな設定をしたかもしれない。。。


「ほ~(;'∀')」と思って、テスト後に、電源を入れて、ホームボタンを押してみました。

・・・・・・やっぱり沈んでるよ。コレ!!( ゚Д゚)


私にはどうしても2~3mm程度沈んでるようにしか感じられない。実際には沈んでないという事実を知った後でも。。。


つまり、何を言いたいかというと、『人間の脳って錯覚を起こしやすいんですよ。』ということです。

よくある視覚の錯覚の絵とかだと、「上下の日本の横線の長さは実は同じ」とかです。



この図を探していたら、面白いページを見つけました。 頭が痛くなりますが、こういうのがお好きな方がいたら是非。。


このように、 私たちの触覚や視覚はある一定の条件下では当てにならなかったりします。脳の知覚機能が、良く言えば柔軟だからです。

 ですので、指先の「感覚」や、姿勢や動作の「観察」によるリハビリの意思決定は非常にあいまいなものだと私は考えています。 


私たちは、無意識に『観たいもの』を見て、『感じたいもの』を感じます。特に姿勢や感覚の変化は、ホントに小さなものです。私は正直、前後変化を説明されてもよく分からないことも多いです。もし変化を感じても『わかった気になっているのではないか?』といつも不安になります。 


では、どうしたら良いか?

 →データや統計の力を借りる(そうしないとこのようなバイアスを避けることができません)。

 


補足。

『臨床の神様』の様なポジションにいるリハ専門職の大ベテランの先生も、もしかしたらこのようなバイアスに捕らわれているのかも知れません。バイアスのたちの悪いところは、一旦生まれるとドンドン増幅する方向に変化することです。普通は、自力で抜け出すことはできません。私たちにできることは、『誰でもバイアスにはまりうる』ということを認識して準備することだけです。

補足終わり。



 私は、天才的な感覚を持つリハ専門職がいて、姿勢などの超微細な変化を察知できる人がいることを否定しません。ですが、それには検証が必要であると思っています。『ブラインドされた状態で高性能な機器とリハ専門職が察知した変化は一致するか?』とか、『エキスパート同士がブラインドされた状態で独立して評価しても、その結果は一致するのか?』とか。 そのような検討がなされなければ、『経験豊富なリハ専門職だけが持つ常人を超えた感覚』も、『それに基づくリハビリ』も信頼できません。 


この様な考えは、夢がないかも知れません。でも、顧客にホントに有効なサービスを提供するにはこういう風な考え方も必要かなと思います。特に、『エキスパートオピニオンに流されやすいな~』と自覚していらっしゃる、若手のリハ専門職の方は、少し立ち止まって振り返ってみるとまた違ったことが見えるかもしれません。お節介ですが(*_*; 


今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございました。

 理学療法士 倉形裕史



Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

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