Evidence Based Crinical Reasoning by Physical Therapist(理学療法士によるエビデンスベースドの臨床推論)①

おはようございます。University College London (UCL)の理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。 


私は、理学療法士の『診断』とか『クリニカルリーズニング(臨床推論)』というテーマを長い間考えてきました。(誰にも頼まれていないのに、勝手に(;’∀’)。。。) 


記事の後ろの方に書いたように、理学療法士、作業療法士が日常的に行っている『クリニカルリーズニング(臨床推論)』に違和感があったからです。でも、ずっとモヤモヤしながらどうやって言葉にしたらいいかが分かりませんでした。


で、昨日、授業を受けていて閃きました。 


リハ専門職が行う『診断』や『クリニカルリーズニング(臨床推論)』は、痛みや機能障害が、どの治療法に反応する可能性が高いかを明らかにする思考過程だ。 

と思いました。 

原因を探ることを最重要視するのではなく、あくまで最適な『科学的根拠に基づく治療法』を選択するために『治療から逆算した』思考過程です。 



自分の中では、何が新しいかと言うと・・・・、 

痛みや機能障害の『原因』を探るのではなく、『現存するエビデンスの中から最も効果が期待できる治療法は何か?』を探ることに焦点を当てていることです。 

疫学の考え方からすると、『原因は明らかでなくても、治療する方法、再発を防ぐ方法』はわかります。ですので、より疫学的な手法を強調した方法です。 



思いついて、一人で興奮していたのですが、仲間に『どう思う??』とLINEを送ったら『全く意味が分からない』と言われてしまいました。。。。(;'∀')


 ですので、きっと読まれて頂いている方もさっぱりわからないと思うので、順を追って書かせて頂きます。賛同してくれる方がいらっしゃるといいんだけど。。。 


1.『診断』と『クリニカルリーズニング(臨床推論)』とは何か? 

『診断』というのは、様々な検査や問診などを用いて『診断名』を明らかにすることと理解しています。『クリニカルリーズニング』は、診断を下すまでの思考過程と理解しています。 



2.リハ専門職は診断を行うか? 

医療保険、介護保険制度のもとで働いているリハ職種は『診断』をしません。 

保険外で働いているリハ専門職は、例えば下記の二つの例では『診断』をするかもしれません。 


①スポーツの現場でトレーナー活動を行う場合。 例えば選手が怪我をした時に、まずトレーナーが診て、医療機関に受診する必要があるかどうかを判断する場面。 


②保険外のクリニックなどに従事しているリハ専門職 この場合は、診断がついていない患者さんに対してリハビリサービスを提供することがあるかも知れません。その際には何かしらの『診断』をしないと治療が出来ませんので、診断をするのかもしれません。 


これらに関しては、以前の記事(下記)でも書きましたが、私は、医師以外の職種に診断をされることをお勧めしません。ただし、トレーナー活動の場合は、扱うのは基本的に外傷に限られるでしょうし、判断に迷った場合は医療機関に紹介することが徹底されていれば、さほど大きな問題はないかも知れません。 保険外(自費診療)のクリニックなどでの診断は、闇が深そうです・・・・・。 


 制度上、リハ専門職は、医師が診断をしてくれた上でリハビリを処方するという形になっています。となると、医師と同じように『診断』をする必要はないわけです。 



長くなりましたので次回に続きます。 


今日も最後までお付き合い頂きありがとうございました。

 理学療法士 倉形裕史 



次回へのリンクです。






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