University College London(UCL)留学記:台湾PT事情

おはようございます。University College London (UCL)の理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。 


先日まで、友人がロンドンまで訪ねて来てくれていました。以前の職場の同僚のOTなので、キャンパスを案内したり、こちらで出来たリハビリ専門職の友人を紹介したりしました。  


クラスメートはテストとレポートの関係で予定が合わなかったのですが、UCLの博士課程に在籍している台湾人PTと一緒に飲みに行くことが出来ました。 

非常に良い方(;’∀’)。まだ、UCLの生徒で嫌な人に出会ってない。。。 むしろ卒業までに誰か一人くらい嫌な生徒を見てみたい。。。 

また、政府から奨学金を得ている非常に優秀な方です。PTだけが応募するのではなく、他の研究者や職種の方との競争の中で勝ち取ったそうです。凄い\(-o-)/  


日本から来た友人はかつて台湾のPT、OTと交流したことがあるとのことで、少し話を聞いていました。その辺りが本当なのか、興味がありました。 


友人の話では、台湾のPTは『物療をやる人』みたいなイメージの職種だとのことでした。 


物療とは、物理療法の略で、超音波装置の様な機械を使って、行う治療のことです。 


その辺りを台湾のPTに聞いてみた所、 

①エクササイズがより効果的であることはわかっている 
②PTが足りていない 
③物療であれば複数の患者に同時に介入ができるため、よく使われる 


とのことでした。 患者さんに対してPTが足りず、物療が中心になってしまうというのは問題だという意識が、台湾のPT達の間にもあるとのことでした。 各患者に30分程度のリハビリ時間があてられるとのことでしたが、PTが足りずになかなかエクササイズを提供することが難しいとのことでした。


彼の病院でPTが不足していたのか、社会全体で不足しているのかはよく分かりませんでした。

彼は、台北の病院に勤めていたとのことなので、台湾の中では医療環境は良いことが予想されます。もちろん、彼の話だけで台湾のPT事情が全てわかるわけではありませんが。。。  

補足情報として、PTの資格が国家資格になったのが約25年前とのことでした。日本のPTの歴史の約半分なのでもしかしたらまだ制度としても発展途上なのかもしれません。日本でも25年前はもっとPTの数は少なかったはずです。


最後に少し興味深い情報を。。

台湾のPTはシンガポールで働くことも多いようです。シンガポールも中国語が通じますし。免許の書き換えなどが必要なのかはわかりませんでした。ただ、シンガポールの制度からするとプライベートホスピタル(健康保険制度がサポートしていない病院)であれば、免許を書き換えなくても働けそうな気はします。 

それにシンガポールは世界で最も豊かな国の一つなので、サラリーが良いようです。その辺りの人材の流出も台湾内のPT不足に影響しているのかも知れません。


 今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございます。

  理学療法士 倉形裕史 







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