小脳梗塞患者のリハビリ後の機能回復④

こんばんは。夢のまち訪問看護リハビリステーション 都賀の理学療法士の倉形です。

以下に書くことは、私の所属先などとは一切関係のない私の私見であり、文責は全て倉形個人にあります。

小脳梗塞患者のリハビリ後の機能回復に関して論文を読んでます。 ③の続きです。

P. J. Kelly, J. Stein et al: Functional Recovery After Rehabilitation for Cerebellar Stroke Stroke 2001 Feb: 32(2):530-4 Pubmed でPDFをダウンロードできます。

結果  

 退院後のフォローアップ時のADLを予測する因子として  

  ・年齢  

  ・Charlson scole (合併症に関するスケール) 

  ・リハビリ病院への入院時のFIM           

      が挙がっています。

考察

 考察の所は、著者の意見をサポートする内容の先行研究をある程度自由に引っ張ってくることができます。そのため、バイアスが入り込むことが避けられません。なのであまり重要視していませんが、一応ざっとは読みました。  

 

 小脳梗塞・出血からの生存者は比較的よい機能回復を示すことが多い。そこから先は世界各国で行われた先行研究のデータが紹介されています(日本のデータもありました)。急性期病院からの退院までに5%~23%の患者が死亡する。ADLが自立するのは概ね70%前後のようです。

 死亡率は、先行研究によって随分差がありますね(;^_^A

23%って、4人に1人近くが亡くなるというのは、どう考えるべきか迷います。研究がされた年代に違いがあって、単純に新しい時期の研究で死亡率が低いのかもしれません。病院の場所や、何次救急のようなセッティングの違いで説明がつくのか?それとも治療の質の差なのか?この辺りには考察では触れられていませんでした。

次回は、この論文に関する記事の最終回(?)として簡単にまとめます。

今日も、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

       理学療法士 倉形裕史

Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

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