おはようございます。夢のまち訪問看護リハビリステーション 都賀の理学療法士の倉形です。
以下に書くことは、私の所属先などとは一切関係のない私の私見であり、文責は全て倉形個人にあります。
今日書くのは、この論文に関しては最終回で、ざっくりとしたまとめです。
P. J. Kelly, J. Stein et al: Functional Recovery After Rehabilitation for Cerebellar Stroke
Stroke 2001 Feb: 32(2):530-4
Pubmed でPDFをダウンロードできます。
私もダウンロードして読みました。
英語読めるぶってますが、結構わからない単語があって調べてます。笑
この論文が示すのは、・・・
初発の小脳出血・梗塞患者のうち、70%~80%は、最終的にはADLが自立する。リハビリ病院を退院した後も機能回復は継続する。
というのが主なメッセージであると思います。
私は、この結論は、概ね支持できるものだと思います。
確かにこの論文は、いくつかの問題点があり、そのことがこの論文の信頼性を下げています。
例えば、①小脳出血患者のフォローアップ率が低い
②入院中に死亡した例は除外されている
③対象の中に、リハビリテーション病院の入院リハに適応がない軽症例もしくは
超重症例は含まれていない。
などです。
特に③により、小脳脳卒中患者全体の経過とは違ってきてしまっているかもしれません。ただし、考察で先行研究を多く引っ張ってきて、それらの結果と概ね一致しているという点から大外れはしてないのではないかと考えます(著者が意図的に自分たちの結果と似た結果を引用した可能性は完全には否定できませんが)。。。
また、退院後のフォローアップ時のADLを予測する因子として
・年齢
・Charlson scole(合併症に関するスコア)
・リハビリ病院への入院時のFIM
が挙がっています。
その他、具体的な数値として、追跡率の問題はありますが、FIMでみると
小脳梗塞患者の平均 69.7 → 109.8
小脳出血患者の平均 42.9 → 115
となっています。
これらのデータから、初発の小脳梗塞・出血患者は、『良くなる方が多いですよ。』と積極的に励ましながら、リハビリを行うことが必要だと思います。
まさかの5回シリーズ(;^_^A
長々とお付き合い頂き、感謝致します。
今日も、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました
理学療法士 倉形裕史
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