おはようございます。夢のまち訪問看護リハビリステーション 都賀の理学療法士の倉形です。
以下に書くことは、私の所属先などとは一切関係のない私の私見であり、文責は全て倉形個人にあります。
前回に引き続き、『代替医療解剖』に関して取り上げます。
今回は、一般の方向けです。ちなみに前回はリハビリ職種の方向けのつもりで書きました。
あらすじのようなものは、書評を書いておられる方がたくさんいらっしゃるので、そちらをご参照されるとよろしいかと思います。
たとえばこちら
本のタイトルは少し違いますが、これはハードカバーの時のタイトルで、文庫本化されるときに上記のタイトルに改変されています。
最初に私自身のことを少し。私は、乳がんに対して闘病し、代替医療を一部利用していた女性の息子です。また現在は理学療法士です。少し詳しく書くと、高校生の時に母を亡くしました。私が小学生の頃に母は乳がんに罹り、手術をしましたが、数年後に再発しました。当時は子供だったのでわかりませんでしたが、母親は標準治療に加えて、当時流行っていた(?)アガリクスという茸の粉末を服用していました。
また、理学療法士として、利用者さんに『膝が痛いから、グルコサミンを飲もうと思うんだけど』なんて相談をよく受けます。さらに、時にリハ職種が『古くから提供されている、効果の検証されていない(場合によっては否定されている)リハビリ』を対象者さんに対して提供しているのを見て、申し訳ない気持ちになったり、『なんとかしたいな~』と思っています。
というポジションから書きます。
この本のなかで、いくつもの代替医療が取り上げられています。代替医療というのは、通常の病院では行われない治療を一般的に指します。民間療法などもこれに含まれると思います。
日本の保険システム下では、病院は通常、『科学的に効果が証明されて、厚生労働省から認可の降りた』治療を提供します。ですので代替医療はこの反対で『科学的に効果が証明されておらず、厚生労働省から認可の降りていない』治療です。
この本では、代替医療を患者さんに対して実際に使われた際にどうだったか?というデータを著者のサイモン・シンさんらが丁寧に調べて報告してくれています。
結果は、非常に悪いです。
この本を読むと、標準治療に用いられている薬剤などを創るためには、大変な手間とコストが掛かっていることがわかります。効果や副作用を含めて厳密に検証され、流通が始まっても、有害事象が生じた場合は速やかに共有される仕組みができています。これをみると、誰かの体験談のみで効果があるかのように謳っている代替医療と標準治療は全く別次元のものだな~と思います。この感覚があるので、私は安易に代替医療に頼ることはしません。
もしもこれを読まれている方が、代替医療でよく宣伝に使われる
①自然素材 ②全身を診る ③伝統的
などの文言に興味を持ちやすい方であれば、是非この本に書かれていることも知って頂けると幸いです。
長くなってしまったので、次回もこの本に関して一般の方向けに書こうと思います(*_*)。
今日も、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました
理学療法士 倉形裕史
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