おはようございます。夢のまち訪問看護リハビリステーション 都賀の理学療法士の倉形です。
前回の続きです。
今日は科学的根拠から見た話しを書きます。
まず、当然ながら、インソールはたくさんの障害に対して使われるので、全部をまとめて『意味がある』、『意味がない』というのではなく、個別に考えていく必要があります。
私はインソールの論文を全て読んだわけではありません。今まで読んだ論文から以下の様に考えています。
インソールは、・・・
1. 糖尿病など足病変(潰瘍)などに対しては効果がある。
2. 扁平足などの足の変形の予防・治療に効果があるかはわからない(私はこれに関して質の高い論文を見たことがない)。
3. 足関節(足首)の痛みや変形の予防・治療に効果があるかはわからない(私はこれに関して質の高い論文を見たことがない)。
4. 膝より上の関節(膝も含む)の障害の予防・治療には効果がない。
1. には質の高い科学的根拠(エビデンス)があります。
糖尿病患者の足に潰瘍が出来た場合、糖尿病の程度、キズの管理によってはキズが治らず、最悪の場合は切断なんてことにもなり得ます。これを防ぐための管理として、潰瘍が当たる部分をくり抜いたインソールを作るというものがあります。潰瘍部にかかる負荷をなくし、キズの治癒に効果があります。
2.と3. に関しては私はよくわかりません(インソールが、扁平足などの変形に対して、遺伝や生活習慣など影響を超えてまで効果を発揮するかわかりません)。
ただ、4.に関して書くことでその代用ができると考えます。なぜかというと、親御さんは扁平足などの足の小さな(?)変形を恐れているのではないと思うからです。それより上の関節に影響が出て、歩き方が変になったり、痛みが出ることが防ぐべきことなはずだからです。
今日の最後に改めて自分の立場(?)を書きます。私は、個人の体験談を過度に重要視して判断すべきでないと思っています。
前回に書きましたが、私は友人を励まし(?)たくて、「大丈夫だよ。私達だって、子供の頃にインソール使ってないけど、足曲がってないよ」と言いました。
ただ、この事実をもって、「インソールは使う必要がない」とは言えません。なぜなら、私達2人が、『インソールを使ってないにも関わらず、足が変形しなかった幸運な2人』であった可能性が否定できないからです。
この様な、誰かが経験した『事実』に基づいて判断すると、不合理な判断をしてしまうこともあります。経験したことは『事実』なんでしょうが、それが『真実』かは、統計の力を借りない限り、私達には正確に判断することができないからです。
長くなりましたので、今日はここまでにします。次回は、4. 膝より上の関節(膝も含む)の障害の予防・治療には効果がない。に関して書きます。
今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
理学療法士 倉形裕史
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