『会社』ではなく『社会』で評価される人材を輩出する:夢のまち訪看を『リハ業界のアヤックス』にする③

おはようございます。理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。


前回の続きです。


転職エージェントに登録・面接した経験から、市場で評価されるリハ専門職とは?ということを考えました。


もし『アヤックス』って何?という方がいらっしゃいましたら、このシリーズの①をご覧ください。



今回は、エージェントの方が教えてくれた答えを書きます。

私は、転職すると給料は下がりますと言われました。

『では、どんな人が給料の上がる転職ができるのですか?』と聞いてみました。 その答えは単純で、「マネジメントの経験がある人」とのことでした。



マネジメントの経験がある人は、例えばどこかの病院が回復期病棟を新たに立ち上げる、老健が新しくできるなどの際にマネジメント職としてポストを得て、給料があがる転職ができるとのことでした。 ・・・・・なるほど、非常にクリアです。 



さらに私は、以下のことを考えて、こんなことを聞きました(若くて生意気だったため)。


  1. リハビリ業界では、マネジメント職に就くのは基本的に職歴の長さと経験年数の順です(実績などは考慮されないことが多い。そもそも個別の実績を評価する仕組みがない。)
  2. 現在マネジメント職についている世代の多くは、専門学校を主に卒業した世代です。
  3. 私たちの世代は、大学院での教育を受けた人間もたくさんいます。
  4. リハビリを含む医療業界は日進月歩の世界であり、若い世代の方が教育水準、リハビリスキルは上のはず。 

         ↓

では、『なぜ?マネジメント経験があるだけで上の世代のほうが優遇されるのか?』と。。。




追記


私より上の世代の方が、もしこの記事を目にする機会があればすみません。リハスキルとマネジメント能力が学歴に関係がないことは重々承知しています。しかしながら、博士課程にチャレンジしている超優秀な先輩(後輩のマネジメント上手し)が、のほほんとした専門学校卒の上司の下で役職なしで働いている(追い越すことがあり得ない)という状況にずっと違和感がありました(*_*;。

*なお、この設定は私の妄想上の設定であり、実在のものではありません。


追記終わり




この質問に対するエージェントの回答は、非常に明快でした。 「私ども(市場)には、そのスキルを評価する術がありません。マネジメント経験の有無は履歴書などを見れば確実にわかります。」とのことでした。 私は、その時に、「なるほどな~」と非常に納得してしまいました。



専門職として、リハビリスキルを高めるセミナーに出て勉強すること&研究などを行うことは、リハ専門職の市場価値を高めることに役立たないです(大学教員などは研究が実績になるのでこの限りではありません)。 


私たちの売り上げは、患者さん・利用者さんと1対1である一定の時間を『一緒に過ごした』ことに対してお金が支払われます。 卒後1年目のリハ専門職がやっても、20年目のリハ専門職がリハビリを提供しても売り上げは同じです。指名料もありませんし、効果に差があっても、成功報酬の様に上乗せされるシステムもありません。

売り上げが同じであれば、リハビリスキルを高めることが市場価値を高めないことは大いにあり得ることです。

もちろん、スキルのある先輩がたくさんいた方が新卒の採用に有利とか、所属先への間接的な貢献はあるのかも知れません。ですが、それらは市場価値に反映されない程度の、ある意味誤差の範囲の貢献なのかもしれません。



これに関して『けしからん。所詮、門外漢は何もわかっとらん。』と考えるのは簡単ですが、基本的に『評価』は他人からされるものです。ですので、これを現実として受け止めることが必要です。その上で、どうするかを考える必要があると思います。


その辺りを次回で書きます。


今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございました

 理学療法士 倉形裕史


Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

キャリアゴールは『日本を含む全アジア地域で、全てのリハビリ対象者が適切な価格でエビデンスベースドのリハビリにアクセスできる社会を実現する』ことです。 ゴール達成のために、勉強したことをシェアしたり、同じような活動をしている方とコミュニケーションをとることを目的にサイトを作ってみました。 ゴールやそこまでの道のりが少しでも被る方は、是非一緒に何かやりましょう。

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