『体幹のインナーマッスルの正しい使い方の学習』は、腰痛治療に重要ではありません③

おはようございます。理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。


 前々回から、『体幹のインナーマッスルの正しい使い方の学習』と腰痛治療の関係に関して書いています。

 昨日の記事では『モーターコントロールアプローチとグレーデットアクティビティの比較に関する論文の結果』に関して書きました。 

 前回、モーターコントロールアプローチとグレーデットアクティビティを比較した結果に関してどの時点でも差がないと書きました。結果を改めて載せます。


どの時点においても結果に差がありません。

 

グレーデットアクティビティは、体幹のインナーマッスルの使い方の学習に関して何も行っていないにも関わらず、高価な超音波エコーの機械を使って、緻密にインナーマッスルの使い方を指導するモーターコントロールエクササイズと同等な結果となっています。 

もしもインナーマッスルの使い方が腰痛治療において決定的に重要であるならば、この結果はおかしいです。 


この研究結果から考えられるのは・・・


 ①『体幹のインナーマッスルの使い方の学習』は、腰痛改善に重要でない。

 もしくは

 ②『体幹のインナーマッスルの使い方の学習』は、意識せずに運動しても自動的に学習される(グレーデットアクティビティグループでは、リハビリ中に意識されていないからです)。 


という風にしか、私には結論のしようがありませんでした。


ちなみ、複数の研究において、結果が一致しないことはよくあります。もしかしたら、この研究だけがこのような結果になっただけで、他のモーターコントロールエクササイズとグレーデットアクティビティを比較した研究では、モーターコントロールエクササイズが圧勝している可能性も否定できません。 この疑問に関して、同研究チームが答えをくれています。

Conclusionの部分で先行研究を引用して結果を比較しています。他の研究においても、やはりこの二つの腰痛治療の効果には差がありません。


以上から、単純に言えば、『インナーマッスルの使い方の学習はそこまで重要ではなく、効果は同様で、コスト的に優れているグレーデットアクティビティをまず使うべき』となるかと思います。


 しかし、少し深読みすると、もう少し話は複雑です。 


長くなりましたのこの続きは次回に書きます。 


今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございました。 

 理学療法士 倉形裕史 





自分と似たような考えを持った医療職の方が下記のキーワードで検索した際に、繋がりやすくなることを目的に下記のキーワードを書くことにしました。やや見苦しいですがご容赦下さい。 EBM、Evidence based medicine、EBPT、Evidence based physical therapy、根拠に基づくリハビリテーション、rehabilitation、リハビリテーション、理学療法、physical therapy、physiotherapy、統計、statistics、研究デザイン、study design、留学、study abroad、ロンドン、London、ユニヴァーシティー カレッジ ロンドン、University College Londn、UCL、ロンドン大学、University of London、 腰痛、lowback pain

Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

キャリアゴールは『日本を含む全アジア地域で、全てのリハビリ対象者が適切な価格でエビデンスベースドのリハビリにアクセスできる社会を実現する』ことです。 ゴール達成のために、勉強したことをシェアしたり、同じような活動をしている方とコミュニケーションをとることを目的にサイトを作ってみました。 ゴールやそこまでの道のりが少しでも被る方は、是非一緒に何かやりましょう。

0コメント

  • 1000 / 1000