おはようございます。理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。
今日は、『遠藤保仁がいればチームの勝ち点は117%になる』という本に関して書きます。
統計好き、サッカー好きにはたまらないタイトルでずっと気になっていましたが、今回読んでみました。
著者は、『統計学が最強の学問である』シリーズで有名な統計学者の西内啓さんです。
西内啓さんは、Jリーグのアドバイザーなどもやられているとのことです。 データスタジアムという会社からデータを譲り受けて、Jリーグの2011年シーズンを分析しています。
イメージとしては、サッカー版の『マネーボール』を想像していました。
この様な取り組みは非常に好きです。結果の成否は置いておいて、新しい、まだ明らかになっていない情報でライバルを出し抜く取り組みはワクワクします。
ですが、サッカーにおけるデータの活用は、野球程には発展というか有効活用されていないというのが読んだ上での感想です。
まず、面白いなと思ったのは、優れたMFのコンビとして当時のマリノスの兵藤、小椋選手のことをデータは高評価している点です。データによれば2011年頃の脂乗りまくりのG大阪のMFコンビ遠藤、明神両選手に匹敵するとのことです。もしも他チームがG大阪から遠藤、明神両選手を獲得しようと思えば、莫大な資金が必要だと思います。両選手と比べれば比較的知名度の低い兵藤、小椋選手のような選手をピックアップするというのは面白いですね。
また、過去の本なので、その後の両選手のキャリアを調べることができるのも面白い所ですね。
反対に、データ活用がサッカーでは野球程には有効活用できてないな~と思った理由は下記です。
①サッカーは野球と比較して複雑
サッカーの方が優れているという話ではないです。野球は、ピッチャーが投げて、打者がそのボールを打とうと試みるという、局面の連続です。ある意味テニスの様に一回一回止まりますが、サッカーにはそのような局面の連続がないです。
②野球と比較してまだ『何が勝敗に繋がるか?』が明確でない。
ですので、シュート数に対するゴール数とか、空中戦(ヘディング)の勝率など、従来のスカウティングでも重要視されていた項目で見ています。なので、マネーボールで受けたような、『こういうパラメーターがゲームの勝敗に関わるのか!!』みたいな感動が乏しいです。
③実際に取り入れたチームの結果がないので、何とも言えません。
マネーボールではビリー・ビーンさんというジェネラルマネージャーが資金が乏しいアスレチックスを勝たせるために新しい手法を取り入れて、いい結果を出す話です。ただ、この本で使われていたような手法でシーズンを通して戦ったチームが無いので、この様な手法がどの程度有効か分かりませんでした。
このようなデータ分析と最も相性がいいのは、
1.チームスポーツで
2.ミスの回数が限定的で(ミスが増えると運の要素が増えるため)
3.野球の様な静止した局面がある
4.あまり他人のアクションが各プレーヤーの行動に影響しない
などでしょうか。
全部を満たすとなると野球しか思い浮かびませんが、その他だとバスケ、ソフトボール、ハンドボール、水球、ゴルフとかですかね???
冒頭にも書いた通り、この様な意欲的な取り組みは非常に好きです。2012年に発行された本なので、恐らくサッカーにおけるデータ分析はますます進んでいると思います。
このような形でさらにサッカーが進歩してより面白いゲームが増えるとサッカー好きには嬉しいです。
今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございました
理学療法士 倉形
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