University College London(UCL)留学記:疫学の授業①

おはようございます。University College London (UCL)の理学療法士の倉形です。

理学療法士はリハ専門職のひとつです。 


昨日は、研究法の授業で、疫学の基礎に関する授業を受けました。


感銘を受けたというか、ここ何か月かの疑問が解けたので非常に印象に残る授業でした(^^)/。 

この授業は毎回講師の先生が違うのですが、昨日は落ち着いた雰囲気の白人の男性医師と、ゴスペルを歌い出ししそうなパワフルな黒人女性研究者でした。 



黒人女性の先生は、大きな身振り手振りを交えて、非常に良く通る声で話してくれました。 


授業内容の大枠は、ランダム化とブラインドの重要性などで、極端に難しい内容ではありませんでした。疫学と言う学問自体は非常に深く広いんでしょうが、おそらく、医学に応用する(Evidence Based medicineを実践する)のには、初歩的な内容の理解で大半はカバーできるんだと思います。もちろん、疫学に対する理解は深い方がより好ましいと思いますが。 


で、ここ数か月の疑問というのは、疫学的研究の結果の解釈の仕方です。 

私は、疫学や医療統計に関して興味を持っているので、関連する書籍なども読みます。教科書の様な固い本だけでなく、栄養に関する疫学的研究を一般の方向けに解説する本などを読むのも好きです。 


私は、まだ読んでいないのですが、最近出版された栄養に関する本の中で、ベーコンや赤身肉を食べるのは体に良くないというような記載があったそうです。 

以前の記事で著書を紹介させて頂いた津川友介先生の本です。 


まだ読んでいないのですが、津川先生がたくさんの引用文献を読み込んで書かれた栄養に関する本なので、『きっと、科学的に正しいことが書かれているんだろうな~』と漠然と考えておりました。時間が出来たら読もうとも。 


そんな中、ちょっと困った(?)ことが起こりました。私は、ネット上で定期的にチェックさせて頂き、勉強させて頂いている方が何人かいます。
津川先生もその一人です。栄養学関連でも何人かいらっしゃるのですが、今回、栄養がご専門の先生方のこの本に関する評判が芳しくない。

『疫学的研究の解釈が違うのではないか?』というのが主な批判でした。
でも、ハーバード大学で大学で医療経済学(疫学が大いに関係あり)を教えていらっしゃる先生が『疫学的研究の解釈を間違う』なんてことが果たしてあるのか???
というのが悩ましい所でした。 


データをみて判断をすることは出来てきたと思うのですが、その『判断の仕方』を色んな先生の著作などをみて勉強しています。ですので、この先生方の中で判断が分かれると、私も一緒に混乱してしまうという状態でした。特に栄養の研究に関しては、専門外なので余計にどう判断したらいいか分かりませんでした(*_*;。 


そんな中、講義で、講師の先生がベーコンの摂取量が多い群で消化器のがんが多いというような疫学研究のデータを出しておられました。

まだ授業のスライドが送られてきていないので細かな数字は把握していませんが、 


ベーコンをたくさん食べるグループは、食べないグループと比較して消化器のがんに掛かるリスクが70%高まる。 


みたいな内容です。 


長くなりましたので明日に続きます。明日は、講師の先生がこの研究結果に対してどのように解説するかを書きます。


今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございます。

 理学療法士 倉形裕史 



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