おはようございます。University College London (UCL)の理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。
今日はみんなに聞けた興味深い話をシェアします。
ヨーロッパの医療職の給料やポジションに関してです。もちろん、個人の経験なので、必ずしも正確ではないと思いますが、ビビットではあります。
1.ヨーロッパの医療系専門職の競争は超激しく、しかも待遇があまり良くない
女性二人はUCLの心理学の修士号を卒業した方と現在、同コースに在学中の方でした。
二人とも日本で言う臨床心理士のような資格を持っているとのことでした。
彼女たちは、臨床心理だけで生計を立てているわけではなくウェイトレスの仕事などをしているとのことでした。
両方ともパートタイムでのお仕事です。
ロンドンの臨床心理士は飽和状態な所があって、なかなか希望するポジションを見つけることができないそうです。
トップスクールの一つで修士号を取得しているというだけではなかなか良いポジションにつくことができないとのことでした。非常に競争が激しい環境のようです。
また、働いている日数の違いの影響も多少あるのかも知れません(ウェイトレスで3日、臨床心理士で2日のような)が、収入の最も大きな部分を占めるのはウェイトレスとしてのお給料なのだそうです。
ヨーロッパはチップの文化があるので、場合によってはウェイトレスの仕事方が臨床心理士としてよりも時給が良かったりするとのことでした。やはりまず生活しなければいけないので、臨床心理士の仕事だけに集中するというのは現時点では難しいとのことでした。
2.ギリシャの理学療法士の給料事情
上記のようなところは、ギリシャでもあるようです。ギリシャでPTとして働いている彼も副業なのか、病院もパートタイムなのかはっきりわかりませんでしたが、観光客が訪れるスパの様な所でも働いているとのことでした。もしかしたら観光シーズンだけのアルバイトなのかもしれません。ギリシャの主要産業は観光なので、ドイツやイギリスなどから来る観光客を主な顧客としたマッサージ店があるそうです。そこで理学療法士としての需要があるとのことでした。
また、ギリシャの患者さんも運動よりマッサージを好む方が多いのは日本と同じようです。ギリシャの患者さんにも『リハビリ=マッサージ』というイメージはあるようです。
ギリシャの保険システム
ギリシャにも日本の保険制度の様な国によるサポートがあるとのことでした。また、ギリシャのPTには開業権があるようです。ただ、保険からの支払いが治療を行ってから半年たたないと支払われないため、クリニック開設にはランニングコストを含めて多額の初期投資が必要なようです。ちなみにクラスメートのディミトゥリスの夢の一つは自身のクリニックをオープンして集中的に働いてアーリーリタイアがしたいそうです。。。
補足
こちらでは、同一労働同一賃金が日本より徹底されているせいか、パートタイムの仕事に対して日本における『非正規労働』のようなネガティブなイメージはあまりないようです。季節ごとに発生するお仕事を毎年同じようなサイクルで回しながら生活をしている方もたくさんいます。
補足終わり
3. 心理学界隈の新しいトレンド
女性たちが臨床心理士だったので、認知行動療法の話なんかもしました。私は心理学の手法を長く続く痛み(慢性疼痛)の治療に応用するという最近(?)の流れを支持しています。なぜかというと質の高いエビデンスが沢山あるからです。
『認知行動療法ももちろん良いけど』と言って、最近のトレンドの話もしてくれました。
・認知行動療法とマインドフルネスを合わせた方法
・Acceptance focus therapy
というものがあるらしいです。Acceptance focus therapyに関しては私は初めて聞いたのですが、痛みのある部位に対して、治癒ではなく、その痛みがあることを受け入れるというか許容するというような考え方を身に着けることで、痛みが改善する。みたいな感じの説明だった気がします。(時間が出来たら調べてみます。)
このような手法のデータがUCLで積極的に取られているらしいです。
他にも、メチャクチャ笑わせてもらいましたが、後は個人情報にも関わることなので、ここまでにします(;'∀')
オックスフォードストリートのあたりだと思います(後ろにくっついて歩いていただけなので、途中で自分がどの辺りを歩いているかわからなくなりましたが。。。)
今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございます。
理学療法士 倉形裕史
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