おはようございます。University College London (UCL)の理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。
こちらで勉強し始めてから5か月が経ちました。
3学期あるうちの1学期を消化しました。3学期目は、ほぼ修士論文の執筆になるため、まとまった授業はありません。つまり授業は半分を消化した計算になります。
所属校のUCLの価値が高まることは、自分の将来のキャリアにとっても重要なことです。これに加えて学級委員になったこともあり、『UCLのライバルってなんだろう?』と考えました。
結論としては、ライバルにはイギリス内外の高等教育機関に加えて、インターネットを使った教育サービスもライバルも入りそうです。
世界は急速に変わってきていますので、高等教育機関もあぐらを掛けない時代になってきているな~と思っています。
イギリス国内の大学のランキングを見てみると、分野によってもちろん大きなバラツキはありますが、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学がツートップとして君臨しています。分野ごとにバラツキがあるといいましたが、この二つの大学は少し特別というか、ほぼ全てのプログラムのランキングでツートップです。分野によってオックスフォードが一位になったり、ケンブリッジ大学が一位になったりしますが、ほぼこのどちらかが首位をとっているという感じです。
この二校に続いてUCLとインペリアル・カレッジ・ロンドンが熾烈な3位争いをしているというイメージでしょうか。。。
ちなみに理学療法に直接関わる修士コースはケンブリッジ大学、オックスフォード大学にはありません。この状況は、英国内の理学療法士の立場を反映しているのかも知れません。
では、UCLのライバルはこの3校なのかというともちろんそれだけではありません。英国以外に目を向ければ質の高い教育をしている高等教育機関はたくさんありますし、ランキング的にもUCLを上回る学校が世界には10~20校程度あります。
また、教育を提供するという観点から行くとその他にもたくさんあります。 例えば『MedBridge』や『Coursera』や『Khan Academy』などがあります。
先日の授業のスライドで衝撃(?)を受けたのは、統計を学ぶのに良いソースとして先生がこれらのサービスを推薦していました。
(授業用のスライドから抜粋)
この様なサービスはどんどん増えていますから、私の知らないサービスもたくさんあるはずです。
これらのサービスの利点は、何よりも学習者が支払うコストが安いことです。 また、ネット環境さえあれば世界中のどこでも受講可能です。 例えば、MedBridgeは年間300ドル払えば、PT、OT、ATなどに関わる授業動画が見放題です。私の一年間の学費と生活費をここにつぎ込めば、大げさな話でなく、孫かひ孫の代までMedbridgeで勉強し続けることができてしまう計算になります。
Web siteで簡単に確認しただけですが、内容に関しても質が高そうです。そしてキャンパスで授業を受ける従来の大学は受けられる授業数に制限がありますが、ネット上で提供されるサービスは自分の時間の許す範囲でいくらでも受講可能です。例えば夜中12時を過ぎた後に授業を行う大学は(多分)ないでしょうが、ネット上の録画された授業の先生達は何時に授業をお願いしても嫌な顔一つせず、授業を行ってくれます。 年間の料金がネット上の教育サービスの料金の100倍を優に超えるUCLの授業の質が、ネット上で提供されるサービスの授業の質の100倍を超えるとは私はどうしても思えません。 恐らく、ケンブリッジやハーバード大学、MITの様な世界最高の大学の授業でも同じでしょう。
また、大学が抱える大規模なインフラに関しても現在はストロングポイントというよりは維持費を喰うお荷物になってしまっている感があります。 例えば、イギリスの歴史がある教育機関は、重厚な建物の中に入った気の遠くなるような蔵書数の図書館をもっています。これらの蔵書にアクセスする権利は学生以外は制限されますので、これらの蔵書は、学生を惹きつけるものであったでしょうし、高価な授業料の説明の一部になっていたはずです。
ですが現在は、特に医学・医療分野においては、ある程度以上古い本というのは価値がありません。これらの学問の歴史の研究をするような場合はそれらの古い本は価値があると思います。ですが、日進月歩の医療分野では古い書籍は知識としての価値は少なく、新しい論文に当たる必要があります。
また、ジムやプールなどのインフラもあります。学生が安く使えたりします。でもこれも、アウトソーシングして(会員費の一部を学校が負担するなどして)学外の施設を使った方が維持費も、スタッフの人件費も掛からないため合理的です。
長くなりましての明日に続きます。
ここまでは、大学院の不利な点ばかりになってしまいましたが、もちろん利点もあります(;'∀')。
次回はこの辺りを書きたいと思います。
今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございます。
理学療法士 倉形裕史
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