University College London(UCL)留学記:Oxford Universityが提供しているonline の腰痛コースに参加中です

おはようございます。University College London (UCL)の理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。 


現在、課題エッセーの作成と一緒に、Oxford Universityが提供してるonlineの腰痛治療に関するコースを受講しています。 無料です。。(;'∀')  


過去にも記事に書いたことがあると思いますが、世界は腰痛をよりpsychological(心理学的)に捉えています。心理的、社会的な側面が腰痛(特に慢性的に続いているもの)に大きく影響していることがわかっていて、姿勢であったり、体の使い方、背骨の加齢による変形などは重要視されなくなっています。 


 この様な潮流は、2000年頃にはかなり主流な考え方になっていました。 現在、認知行動療法という心理学の手法をリハビリに取り入れて腰痛などの慢性的な痛みを治療するようになっていて、オックスフォード大学のコースもこの治療に関するものです。 


泣く子も黙る(?)オックスフォード大学が無料でコースを提供しているということで、参加してみました。 英語のコースではありますが、そこまで難しいものではなく、とっつきやすいと思います。 


その中で下記の様な事が書いてありました。

 「Passive treatments communicate that the patient need you to fix them.」 

私は知らなかったのですが、communicateには「知らせる(≒inform)」という使い方があり、訳すと『徒手的な治療は、患者に「治るにはセラピストが必要だ」思わせる』という感じでしょうか。 


「マッサージなど徒手的な治療を全く行うな」と言ってしまうと少し語弊はあると思いますが、現代の腰痛治療のもっともコアな部分は、患者さんに「自分の症状は自分でコントロールできるし、する」という自律的なマインドセットを身につけることをサポートすることにあります。  

このようなマインドセットを身につけることは、人類が辿り着いた最も有効な腰痛治療の一つです。


この様なマインドセットを身につけることは、多くの腰痛に悩む患者さんにとって役に立つことだと思います。



天下のオックスフォード大学の研究チームが言うからだけでなく、腰痛に関わる私達、また患者さんが知っておくと役に立つ言葉だと感じました。  


腰痛患者さんは、病院、クリニック、整骨院など色々な所に行かれると思います。場所によってはリピーターが欲しくて、「週二回、来院してマッサージを受けましょう」と言う所があるかも知れません。 


マッサージによって、施術直後は症状が良くなった気がするかもしれませんが、長い目で見ると腰痛緩和に逆効果であるということも起こり得ると思います。 


 適切な情報を提供して、

 Patients do not need physiotherapist to fix them

(患者が治癒のために理学療法士を必要としない)ようにサポートしたいですね。 


もちろん、腰痛治療にリハ専門職が関わらなくなることが良いのではなく、必要な時期にしっかりと関わることで、効果を最大限にしつつ、効率の良い医療費の使い方をすることが重要だと思います。 


 今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございます。

 理学療法士 倉形裕史 






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