Systematic review consulting モニター経過報告:三木様、近藤様プロジェクト2、迫田様プロジェクト2

こんばんは。MS-EDGEの理学療法士、倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。  


現在、モニター様には、プレサーチを通じてクリニカルクエスチョンの作成、レビュー行うトピックを選定して頂いております。 


私達の想定以上にスムーズに進んだモニター様、少し大変な思いをしていらっしゃるモニター様もいらっしゃいます(;'∀')。 


プレサーチを含むクリニカルクエスチョンの選定は最初の行程です。

ただ、『最初だからウォーミングアップ』ではなく、システマティックレビュー作成の前半の山場と考えています。ですので、この工程はどなたにとっても大変であると思います。  


クリニカルクエスチョンを決めていく上で、 

①学術的・社会的な意義のあるテーマ 

②ご自身が興味を持てるテーマ 

③クリニカルクエスチョンを充分に小さくして、実現可能性を高めること 


の三つを考えることが重要です。 


私達は、システマティックレビューを行う過程自体にも、EBMに関する知識・スキルの習得という点で価値があると考えています。 しかし、書き上がったレビューが『学術的・社会的に意義が少なく、どの医学雑誌も相手にしてくれない』ということになってしまうと、せっかく頑張ってレビューを書き上げた努力の価値が少なくなってしまうことも良く理解しています。 


そのため、実現できて、かつ著者チーム以外の研究者、臨床家の興味を惹くことのできるテーマの設定が重要であると考えています。 


③で『クリニカルクエスチョンを充分に小さくする』と書きました。今回は、この点に関して少し詳しく書いていきます。 




『クリニカルクエスチョンの大きさ』とは、PICOのうち、広範囲のPとIが含まれるテーマとして話していきます。 

PICOに関しては、下記の記事をご覧下さい。 



大きなクリニカルクエスチョンとして、例えば『腰痛に対する運動療法』というのがあります。このテーマには、全ての年代の、全ての腰痛患者さんがPとして含まれます(Pが大きい)。さらに筋トレのようなものから熟練の治療者が行うスペシャルなテクニックの様なものまでがIに含まれます(Iが大きい)。 このような長大なテーマのシステマティックレビューを書くことも社会的な意義はあると思います。  


ただ、この様な大きなテーマのレビューは、キチンとした内容で報告するためには、図なども含めると最低でも50ページを超えてしまいます。このボリュームの論文を掲載してくれる雑誌などの媒体は限られています。 


また、大きすぎるクリニカルクエスチョンは、切れのある結論を導きにくいという難点があります。そのため、臨床家の行動に影響を与えることが難しくなってしまいます。 


反対にあまりにも狭い範囲の対象のクリニカルクエスチョンを設定してしまうと別の弊害が生じてしまいます。 例えば、『日本人十代男性腰痛患者に対する』×『外来でのマッケンジー法』というクリニカルクエスチョンを設定したとします。  


この場合、 

①システマティックレビューに含める意義のある質の高い論文が存在しない可能性が高い。 


②この論文に当てはまる患者さんには大きな恩恵があるものの、あまりにトピックが狭すぎて、他の患者さんの参考にならない(社会的意義が小さい) 


 ということになってしまいます。 大きなP×Iのクリニカルクエスチョンは、たくさんの方の興味を引くかもしれませんが、臨床上の行動を変えるようなインパクトは無いかも知れません。一方、小さなクリニカルクエスチョンは、たくさんの方の興味を引くことは出来ないかも知れませんが、同じ悩みを持つ臨床家の行動に大きく影響を与えることが期待できます。


このバランスはとても重要です。モニター様には、私達をアイディアの壁打ちの相手に使って頂きながら、①~③の全ての項目に関してバランスの取れたトピックを探して頂いております。 


一回のプレサーチで上記の①~③を満たすクリニカルクエスチョンを作るのは、相当な幸運に恵まれない限りは不可能です。そのために必要なことは、最初の段階では、あまりアイディアの質に拘り過ぎずに多くのクリニカルクエスチョンを作ることが重要です。PICOの各要素(特にPとI)を色々と試行錯誤しながら、最適なクリニカルクエスチョンを探すことは、とても泥臭いプロセスですが、避けて通れない過程です。 また、この工程の成否は、能力も大切であると思いますが、粘り強さや行動量に依存します。たくさんのレビューを世に出している研究者は、百発百中で①~③を満たすトピックを見つけ出しているのではなく、表には出さない、たくさんの『ボツになったトピック』を持っているはずです。


ここで良く練られたクリニカルクエスチョンを設定することで、後の行程でプロジェクトが頓挫してしまう可能性を最小にできると考えます。 


引き続き、モニター様のサポートをしっかりと続けて参ります。  



MS-EDGEは、 コメディカルの皆様に、システマティックレビューの作成を通じて、下記①、②の体験をお届けいたします。 


①エビデンスに基づく医療(evidence based medicine: EBM)への理解を深め、日々の業務の質の向上を実感できる 


②新しいエビデンスを作ることで、世界中の研究者・臨床家・患者様への貢献を実感できる  


この体験をして頂くために『システマティックレビュー・コンサルティング サービス』を提供しています。システマティックレビュー・コンサルティング サービスは、システマティックレビューの設計、検索から論文投稿までをトータルにサポートさせて頂くサービスです。


下記のスタッフがサポートさせて頂きます。 

① 日本の大学(北里大学)と、世界トップクラスの大学(University college London)で合計二つの修士号を終了した日本人理学療法士の日本語と英語でのサポート 


② University college Londonで修士号を取得した、ネイティブと遜色ないレベルの英語力の二人の医療専門職(ギリシャ人理学療法士とハンガリー人Soft tissue massage therapist)による英語でのサポート 

を手厚く提供いたします。 

 ご依頼、お問い合わせは、倉形裕史の各種SNSでのDMにて承ります。 


*日本人理学療法士の英語力は、TOEIC満点相当  ギリシャ人理学療法士は、IELTS バンドスコア8.5 (一般的にTOEIC 満点は、IELTS バンドスコアで7.5程度とされています)  ハンガリー人Soft tissue massage therapistは、英語圏での生活歴が約10年で、学士号もイギリスの大学で取得しています。 



 今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございます。

 理学療法士 倉形裕史 










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Evidence Based Physical Therapy - 理学療法士 倉形裕史のページ

キャリアゴールは『日本を含む全アジア地域で、全てのリハビリ対象者が適切な価格でエビデンスベースドのリハビリにアクセスできる社会を実現する』ことです。 ゴール達成のために、勉強したことをシェアしたり、同じような活動をしている方とコミュニケーションをとることを目的にサイトを作ってみました。 ゴールやそこまでの道のりが少しでも被る方は、是非一緒に何かやりましょう。

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