『ドリブルデザイナー』って秀逸だな〜と感心した話

おはようございます。University College London (UCL)の理学療法士の倉形です。理学療法士はリハ専門職のひとつです。


今回は、リハビリの話も、医療の話も全く関係ないです。


最近、日本語が恋しい(?)せいか、よくYouTubeを見ます
お笑い、筋トレ、サッカー関連の動画をよく見ます。他には『令和の虎』という、昔マネーの虎に出ていた社長さんのチャンネルなど(;'∀')。

その中で、ドリブルデザイナー岡部さんという方のチャンネルを観るようになりました。

もちろん、名前の通りドリブルがメチャクチャ上手いのですが、それ以上にマーケティングというかご自身見せ方が上手いです。


私は、医療・健康に関する情報を大げさに、煽情的に話して商品や知識を売ることには断固反対です。ただ、趣味の活動において、見せ方を工夫して売り上げを増やすという行為は、マーケティングとして、尊重しますし、そのようなスキルを持っている方を尊敬します。


最近、この岡部さんの動画を見ていて、「良く練られた戦略だな~」と思って感心しながら見ていました。


岡部さんのサッカー、フットサルプレーヤーとしての経歴は、プロ選手になれていないので、大成したとは言えないと思います。

私のサッカー選手としての経歴から見れば、十分に素晴らしいですが(;'∀')。

大学のトップレベルでないチームで活躍して、フットサルのトップリーグでプレーしたというレベルです。



岡部さんよりも素晴らしい経歴(元プロ、元日本代表とか)のコーチは沢山いますし、サッカーが上手いコーチも沢山いるはずです。

ですので、岡部さんが「『サッカーのコーチ』としてサッカーを教えます」となると、あまり大きな価値を生まないのかも知れません。


ただ、体格的あまり恵まれていない(岡部さんは非常に細身です)が、ドリブルのコツ・センスみたいなものを言語化してサッカープレーヤーに伝えることで、多くのサッカー選手の『悩み』を解決することが出来たため(少なくとも、視聴者にそう思われたため)、支持されているんだと思います。

岡部さんの動画は何万回と再生されていますし、著書も売れているようですし、クリニックのようなものを開くと沢山の人が参加するそうです。


医療や栄養に関する知識のような、生命に関わるものは、マーケティングのうまさでお客さんを引っ張ってくることには違和感がありますが、この様な趣味に関することであれば、狭いニーズを掘り起こして抜群に集客するのは秀逸だな〜と思います。


岡部さんは『99%抜ける技術』というものを公開しています。ほぼ100%で対峙するディフェンダーをかわすことができるというものです。


ですが99%抜けるわけじゃないんです(当たり前ですけど)。。。


本当に99%抜けたら、彼はドリブルデザイナーをやらずに、今頃はレアルマドリードかバルセロナで年間数十億円を稼ぎながらプレーしているはずです。アジア人初のバロンドールも夢じゃないでしょう。

『99%抜ける技術』をざっと拝見すると、下記の条件が揃えば、99%抜けると岡部さんが経験上「思っている」技術のようです。


①アマチュアレベルのDFが相手

②時間、スペースに制限なし
③完全な1対1(カバーに来るDFがいない)
④前を向いた状態で
⑤ディフェンダーと少し離れた位置からスタートする

⑥体勢が整った状態からのスタートする


①から⑥が全て揃えば、99%抜ける気がする理論なわけです。

現実のプロの試合では、身体が強くて、足が速くて、サッカーセンス抜群のディフェンダーを相手に
時間もスペースも制限された状況ドリブルを仕掛けなければいけません。


一人ディフェンダーをかわしている間に、2,3人の他のディフェンダーが戻る時間を与えてしまったら、そのドリブル突破は意味のないものになってしまいます。


また、警戒されるドリブラーであれば、周囲の他のディフェンダー達も隙をみてボールを取りに来るかもしれません(1対1ではなくなるかもしれません)。


上にあげた①~⑥の条件のうち、①、②はプロの試合では起こりえませんし、

③~⑥に関しては、世界中の監督やコーチが戦術を練って、「どうにかして自分のチームのドリブラーが、この状況で相手チームのディフェンダーにドリブルを仕掛ける状況を作ることが出来ないか?」と知恵を絞って工夫しているものです。

その段階をすっ飛ばして、「99%抜けます」というのは、少し煽情的な気がしますが、プロサッカー選手や日本代表選手にもドリブルに関するアドバイスをしています(岡部さんの表現では「ドリブルをデザイン」しています)。


岡部さんが「サッカーを教える」のではなく、ドリブルのみに特化して「デザイン」することで、サッカーのコーチではなかなかいないであろう、YouTubeでのチャンネル登録者数22万人(私もその一人)、動画は何十万回も再生されています。


あえて、範囲を絞り込むことで、その狭めた範囲の中のシェアを総取りする戦略(?)は、非常に素晴らしいと勝手に感心してます。どこからの目線かは、自分でも少し疑問がありますが、本当に感心しています。


というようなことを最近考えました。


今日も、最後までお付き合い頂きありがとうございます。

 理学療法士 倉形裕史 










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